「がけ」の下に家は建つの?

がけの下に家は建つの?

もし、あなたが買った土地に、想定外の事態が判明したらあなたはどうしますか?
自己防衛が自身の財産を守ります。

 

質問・・・・もし、土地の裏側に「がけ」があったらあなたはどうしますか? そもそも「がけ」ってなあに?

「がけ」の定義=高さ2.0mを超え、角度が30度を超える斜面(下記図参照)

 

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では、実際の土地ではどんな場合があるのでしょうか?
事例1~建物の裏または土地の裏側に高さ2mを超える不適格擁壁がある場合(下記図参照)

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ここでのあなたの立場は、下側さんです。
古屋付きの土地を購入して、古い建物を解体工事し、新築住宅を建てる計画です。

上記の事例1は、よくあるケースです。

でも、この擁壁は誰のものなの?  残念ながらこのケースでは、擁壁が誰のものであろうが、関係ありません。

すなわち、建築計画に影響を与えます。

 

事例2~建物の裏または土地の裏側に高さ2mかつ角度が30度を超える自然の山(がけ)がある。

 

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上記の事例2も郊外に出るとよくあるケースです。 
でも、この山は誰のものなの?  残念ながらこのケースでも、山が誰のものであろうが関係ありません。
すなわち、建築計画に影響を与えます。

がけがある土地で大切なのは、敷地とこれから新築する建物の安全性なのです。

では、土地の裏側に高さ2mを超える「不適格擁壁」、「自然がけ」、「自然の山」がある場合は家が建たないのでしょうか?
そんなことはありません。ただし一定の条件を充たさなければ建物が建てられないケースがあります。(建築確認がおりません)
そこで建物を建てる条件として、行政から様々な指導を受ける可能性があります。

例えば・・・・・役所の「建築指導課」の担当者が、下記のような内容のことを口にします。

 *建物の基礎を高くしなければ建築を認めません。
 *裏側に擁壁を造らなければ建築を認められません。
 *流土止め壁を作れば建築を認めます。
 *がけから一定の距離を離して、建物を建てなさい。

この建築確認を取得する条件が、あなたのリスクとなります。

それでは、さらに詳しく、見てみましょう。

 

事例3~建物基礎を高くして、がけ崩れから建物を守る

 

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事例4~がけ面に新しい擁壁を造り、がけ崩れを防ぐ

 

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事例5~流土止め壁を造り、がけ崩れから建物を守る

 

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購入を検討している土地にがけがあると、あなたにどんなリスクを与える可能性があるのでしょうか?

 計画している予算内で、建物が建たない。
 計画していた位置に建物が建たない。
 計画している大きさの建物が建たない。

あなたは、そもそも土地を買う時に「がけのことなんて、仲介業者から聞いてないよ~」
最初から分かっていたら「値段は少し高いけど、がけのない土地があったのに」、いずれにしろ最初から、がけのリスクを理解していたら「こんな土地は買わなかったのに・・・・・(後悔)」

以上が、土地購入~知らないと損する大切なポイント~がけの下に家は建つの?編です。

最後まで、お読みいただきありがとうございます。

ここで説明をさせて頂いた内容は、代表的な事例を、分かり易くご説明しております。実際の土地取引の場合には、その他の問題も含め、複雑な状況があるのが現実です。これから土地を買おうとしているあなたは、購入後に後悔をしないよう、自己防衛することを忘れないでください。

 

参考資料「横浜市建築基準条例 第3条」

 

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