擁壁工事

擁壁工事について

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私たちの仕事は、
「あなたの大切な土地と住宅をお守りすることです。」

miyazawa

代表取締役
宮澤 豊久

 

擁壁ってなに?

「擁壁」という言葉を聞いて、その意味や具体的な説明ができる方は、 土地や住宅という資産をお持ちの方でも少ないのではないでしょうか?

 

「擁壁」という言葉は、その漢字が生み出すイメージなどから「難しそうだ」「特定の専門分野の話だ」など、聞いただけで避けたくなる言葉かもしれません。

 

しかし意外なことに、「擁壁」は皆様の日常生活に確実に存在しています。 あるときは自分の敷地に、またあるときはお隣の敷地に、目立つことなくその役割を果しているものなのです。

 

ここで「擁壁」という言葉を辞書で引いてみますと、 「土木工事で、土を切り取った崖や盛り土を保持するための壁状の築造物。かこい壁。」とあります。

 

道路と敷地の段差が1mの場合は、「高さ1mの擁壁」、段差が3.5mの場合は「高さ3.5mの擁壁」が存在していると思います。 またその材質は、あるときは「RC(鉄筋コンクリート)造り」またあるときは「ブロック造り」など様々ではありますが、その総称が「擁壁」なのです。

 

建物と敷地と擁壁の関係

昨今は「欠陥住宅」などの問題が、マスコミで取り上げられることも多く、その悲惨さや理不尽さが伝えられているのを見ると、私も建設業界に携る者として大きな怒りを感じているひとりです。

 

当然、その住宅を支えているのは、建物の基礎部分であります。そしてその基礎を支えているのが、その土地の地盤(地質や土の堅さ)であり、その地盤が崩れないように支えているのが「擁壁」なのです。

 

またこのような大切な役割を果している「擁壁」に掛かる工事費用は、一般の住宅用地1区画に対して数十万円から数百万かかることも珍しいことではありません。擁壁の高さや現場の状況によっては、1千万円を超える場合もあり、時には住宅建築費用と同等の費用が掛かる場合もあります。

 

そのことからも、もしあなたの土地に現在の関係法令で、その強度が充たされていない「不適格擁壁」が存在していたら、またお隣の敷地にそのような「不適格擁壁」が存在していたら、あなたはどうしますか?

詳しくはこちらから

下のイメージ図のように、道路から見て建物の裏に「不適格擁壁」が位置している場合は要注意、建物があり建設機械が使用できないため、擁壁にトラブルが起きると高額な工事費が発生する場合がほとんどです。

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不可抗力の場合も

仮に、今お住まいのその土地が三十数年前に宅地造成され、ご購入された当時の関係法令では「適格擁壁」だったものが、現在の法令基準に照らし合わせた時「不適格擁壁」になってしまった場合もあります。

または親族が長年所有していて相続などで取得された土地と家屋であれば、その取得経過からも「所有の土地に不適格擁壁が存在」しても致し方ないと思います。このような事例は無数に存在しているのが現状であります。

さらには、そのような事情であなたの敷地に「不適格擁壁」が存在している場合は、現状にがけ崩れの予兆が無い限りは、ご自宅の建て替え工事などの際に、「擁壁工事のやり替え」も検討すれば問題ないと思います。


その敷地の広さや建物の位置関係によっては、「擁壁工事のやり替え」が必要ない場合もあります。

不適格擁壁のリスクについて

ここで問題なのは、「今現在、新築住宅を建てる目的で土地の購入を検討している」または「中古住宅の購入を検討している」皆様で、その購入対象物件に「不適格擁壁」が現存している場合です。 もし物件購入を検討されている皆様の中で「不適格擁壁」の存在を認識し、将来起こりえるリスク(天災などや自然崩壊)や瑕疵を適格に把握している中で、「どうしてもその物件を購入したい理由がある」または「リスクを考慮した安い価格で購入ができる」などの場合には、それもひとつの選択です。 しかし私たちに物件購入から数年後に擁壁にトラブルが発生し相談に来られる方に、物件購入時のお話をお伺いすると「不適格擁壁」が現存することや、将来のリスクやその隠れた瑕疵を把握しないで購入をしてしまったケースが大多数です。(もし当時、そのことを認識していれば、物件を購入しなかったと後悔の弁を皆さん語ります。)

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(本来は建設機械を使用すれば、訳がない工事も、人力で行えばその分高額な工事費用になってしまいます)

こんなケースもありました

さらには下記のようなケースの場合は、私たちもお気の毒でお伝えづらい場合がありました。

ある時お客様が土地を購入し新築住宅を建設中で完成間際の現場に外構工事の見積もり依頼を頂きお伺いしました。その際に下記の事例に遭遇しました。

その土地は、敷地が約100㎡で前面道路から建築中の建物を見て、その建物の裏側と右側が高さ約4mのブロック積に囲まれていました。(この敷地を基準にすると、裏側と右側隣地の敷地高さは、マイナス4m)

もし物件購入を検討されている皆様の中で「不適格擁壁」の存在を認識し、将来起こりえるリスク(天災などや自然崩壊)や瑕疵を適格に把握している中で、「どうしてもその物件を購入したい理由がある」または「リスクを考慮した安い価格で購入ができる」などの場合には、それもひとつの選択です。

しかし私たちに物件購入から数年後に擁壁にトラブルが発生し相談に来られる方に、物件購入時のお話をお伺いすると「不適格擁壁」が現存することや、将来のリスクやその隠れた瑕疵を把握しないで購入をしてしまったケースが大多数です。(もし当時、そのことを認識していれば、物件を購入しなかったと後悔の弁を皆さん語ります。)

私たちからすると一目見て不適格擁壁と判るものでした。

そこで新築住宅建築主の奥様と以下に記載する内容のお話をしました。

(会話内容は概ねです。)

【私】

「ここの地盤は固いのですか?」

(通常の住宅基礎では建築確認が下りないのを判っていての質問)

【奥様】

「それが、地盤が軟らかいらしくて、工務店の方が基礎の下に杭打ちを
やってくれているので、建物は傾く心配がないようにしてくれてるんですよ」

(うれしそうな雰囲気)

【私】

「この土地は、ご主人様が持っておられたのですか?」

(相続や親御さんから譲り受けた土地なら仕方ないか)

【奥様】

「いいえ、ここの工務店は不動産部門もあり、私たちのために予算に合う土地を見つけてくれたんですよ。」

(またまた工務店に感謝している感じ)

【私】

「そうなんですか? しかし裏側と右側がかなり段差がありますね~」

(崩れることを考えなかったのかな?)

【奥様】

「そうなんですよ。最初は少し気になったんですけど、基礎下に杭を施行することにより、崩れる心配はなくなると工務店の方が言ってました」

(完全に工務店を信頼してる)

【私】

「・・・・」(お気の毒に・・・)

「それでは、近日中に見積もりを提出させていただきますのでよろしくお願いします。」

【奥様】「申し訳ありませんが、予算が余りありませんので、予算内で可能な限りできることをお願いします。」

【私】

「了解しました。」

会話はこんな感じでした。ちなみにこのハウスメーカーは、TVコマーシャルも放映されている有名企業でした。

もうこの時点では、当然土地の引渡しは済んでおり(所有権の移転)建物も完成目前でした。この段階で私がいくら「不適格擁壁」の存在や「将来のリスク」を説明したところで、契約を破棄できるわけではありません。

さらにはもし仮にこの建築主や奥様に私が説明したことにより「夢のマイホーム」が傷物に思えてきて、「それが原因で幸せな生活が・・・・・」と考えたら、とてもリスクをお伝えする気持ちにはなれませんでした。(それに不適格擁壁だから必ず崩れるわけではありません)

上記の事例のような土地の場合は、建物を建築する前に(更地の状態)「擁壁のやり替え工事」を行えば、仮に工事金額が500万円で済んだ場合、建物を建築してから「不適格擁壁」が崩れた場合は、工事金額が3倍に膨らんでも不思議はないのが現実です。建築前なら3分の1で済んだのに・・・。

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危険な擁壁と認識していなかったり、諸事情によりそのまま放置されている「不適格擁壁」は数多く存在しています。

最悪なケースも

さらには、本当に最悪なのは建物が立っている状態で、「不適格擁壁」にがけ崩れが発生した場合です。

一般に広く用いられている「L型擁壁」や「石積擁壁」が施行できない場合があります。しかしだからといってせっかく建てた新築住宅を壊す気持ちにはなれないですし、予算の関係から再建築できない場合がほとんどです。

そして当然、隣地やご近所の方から苦情が来ます。行政からは、「改善指導や命令文」が通知されてきます。(行政により工事資金の助成や低利融資がある場合があります。)

当事者は、そこに住んでいるわけにもいかず、その土地を放置するしかありません。

最終的に自分で直せない場合は、不動産業者などにタダ同然(建物の解体費用・擁壁の修復費用が捻出でき、再販売出来る価格)で、土地と家屋を売るようになります。

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不適格擁壁のリスクを回避するために

私が書いた以上のことを読まれていかがですか?

私が、決して皆様を意味もなく不安におとしめるためでも、大げさにお伝えしているわけでも無い事をご理解ください。

現状の不動産取引の中では、「重要事項説明書」などの中で「取引に対するリスク」や「関係法令に関する説明」「水道などのライフライン」に関する説明は、当然のように行われ、消費者が保護をされています。

しかし「不適格擁壁」に関する取り扱いについて、明確な取り扱い法令は存在しません。

そこで、「土地の購入」「中古住宅の購入」「既に土地建物をお持ちの方」「建物の建替えをご検討中の方」は、下記の内容を確認してください。

・購入予定の土地に擁壁が現存する場合は、適格擁壁か非かを不動産業者または行政の窓口に問い合わせ確認する。

・不適格擁壁が現存する場合は、近隣の土地相場から新設擁壁工事費相当を値引きして土地を購入する。

・敷地の広さと不適格擁壁の位置関係を確認する(広い敷地の場合はリスクが軽減される場合が有ります。)

・敷地または隣地に擁壁が存在する場合は、土地を購入する前に専門家に相談しリスクを的確に把握する。

・中古住宅を購入する場合も、将来その建物を建て替えるときには、不適格擁壁が問題になりますので事前に専門家に相談してください。


このサイトで私たちのサービスや「不適格擁壁」のリスクを認識し、さらには「私たちの説明」を聞いて再検討(物件価格の値引交渉など)の上、工事依頼をして下さる方がほとんどです。「今お住まいのあなたの土地」「これからご購入を検討中の土地」をもう一度よくご覧下さい。ご心配な所、ご不明な点はございませんか?少しでも危ないとお感じでしたら是非

擁壁・がけ崩れ110番へお電話下さい。

私たちはお客様の住と安心を考え生涯に渡りお客様の資産をお守りいたします。